【国指定重要文化財】
この塔は、藤原鎌足の創建した日本十六塔の一なり、と伝えられますが、今の建物は昭和三年に解体修理され、屋根、相輪の補修は昭和四十年にされたものです。
構造手法から室町末期の建築と推定され、江戸中期に度々の大修理がなされていることがわかります。
総高13.7mで、請花が咲く水煙のついた相輪は、多宝塔ではめずらしいものです。(昭和三年復元したもの)
極めて薄い軒付のこけら葺(桧の板で葺)で、上重の軒先が強く反り返り軽快優美な特色を持っています。
鏡天井で須弥壇には金剛界大日如来が祀られています。
仏教では、古くは塔そのものを仏陀として信仰の対象としており、八幡山に多宝塔のある意義は深いものを感じます。